沖縄盲学校進路便り はるかぜ 令和7年7月 第1号    新学年になり、新しい先生との出会いや新しいクラスの仲間との学習にも慣れ、皆さん楽しく充実した学校生活を送っていることと思います。去った3月には、高等部専攻科4名、普通科2名の卒業生が、この沖縄盲学校を旅立っていきました。在校生の皆さんも、卒業後の自分の姿を思い描きながら、各々の目標に向かって日々の学校生活を充実したものにして欲しいと思います。そして日々の学校生活や面談で、先生、保護者、周囲の方々と将来についてよく話し合っていきましょう。生徒の皆さんを中心に、保護者と学校が一緒になって夢の実現のサポートができればと思います。  はるかぜ第1号は、各学部での1学期の活動についてお伝えします。 ○各学部での1学期の取組(中学部、高等部普通科・専攻科) (1)中学部  6月11日~13日(1組さんは2日間)の「校内就業体験」がありました。1日目専攻科の授業見学鍼実習では、 模型を興味深く見る姿や、実際に施術をする様子を見て専攻科の先輩方が日頃学んでいる内容を教えていただきました。2組さんでは、「かき氷販売」を中心に3日感がんばりました!注文から作成、販売まで先生と一緒に作業しなんと20個も作成しました!注文を取り、お届けする際に「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」販売員として事前に学んだフレーズを先生と一緒に伝えることができました。 (2)高等部普通科  高等部普通科では、6月9日(月)~13日(金)に前期就業体験を行いました。働く体験を通して、就労に必要な基礎的能力を学ぶことや、自己の適性や課題を知り今後の進路選択の見通しを立てること等を目的とし、1年生は校内、2・3年生はそれぞれが希望する企業や事業所にて、3日間から5日間の実習をさせて頂きました。 ◎ 実習先一覧 ◎ 1年 A 校内実習 2年 B 沖縄市役所、沖縄市立図書館    C ラジオ沖縄    D 株式会社コープ沖縄サービス 心耕部 3年 E 総合教育センター(校務支援員)    F 那覇市役所    G 浦添総合病院(ヘルスキーパー)    H 光文堂コミュニケーションズ株式会社(ヘルスキーパー)    I アソシアソーシャルトレーニング    J わっくわーく、Challenged School K きらきら、美原うらそえ、Catch  今回の実習を通して、「自分の適性に気づけた」「ますますその職業を目指したい気持ちが強くなった」と言う感想があり、それぞれが自分の進路について考え見通しをもつことができた貴重な体験になったと感じました。お便りには載せられなかった実習の様子や生徒の感想を3階進路情報室にも掲示していますので、学校にお越しの際にはぜひご覧になってください。高等部の保護者の皆さま、送迎等へのご協力どうもありがとうございました。 (3)高等部 専攻科  ①専攻科2年生 老人施設見学   5月14日(水)、専攻科2年生の3名は、卒業生Hさんが従事するサービス付き高齢者向け住宅グリーンハウス長田を訪問し、施設の概要や老人施設におけるあん摩マッサージ指圧師が行う業務内容やそれに求められるスキル(能力・技術)について学んで参りました。  以下に生徒の感想・お礼を紹介します。 ◎専攻科保健理療科2年     今回見学に行かせていただいたのは、サービス付き高齢者住宅であるグリーンハウス長田さんでした。いざ訪れて入口のドアを抜けると最初のフロアにご利用者さんが15人くらいいらして、和気あいあいとしていて、楽しそうでした。入居している人と通っている人とを合わせると利用者さんは40人を超えるそうです。建物は三階建てで、二階と三階は住んでいる方たちの各部屋になっていて、アパートのようになっていました。職員の方も、利用者さんが利用する感覚は、サービスのついているアパートに近いかもしれないとおっしゃっていました。    学んだことは、職員の皆さんが協力している様子や、グリーンハウス長田さんの空気です。見学のなかで、卒業生であるHさんの施術を見させていただく機会があったのですが、若い職員さんとも協力しながら業務を行っていました。Hさんは次に施術する利用者さんをご自身で声をかけて移動の介助を行っていましたが、職員の方も任せっきりということでもなく、Hさんに「手伝いますか」と聞いていたりしていました。ちなみにHさんは利用者さんを車椅子からベッドに移すのもスムーズに一人で行っていました。とても驚きました。    グリーンハウス長田さん、Hさん。今日は見学をさせてくれてありがとうございました。自分はサービス付き高齢者住宅にお邪魔するのが初めてで素直に緊張してしまっていたのですが、一貫して職員さんの案内が丁寧でとっても集中できた気がします。他の人からも多く質問されていた中でも自分の質問に答えてくれて、うれしかったです。今日時間を割いてくれて、貴重な体験をさせてくださりありがとうございました。 ◎専攻科理療科2年    サービス付き高齢者向け住宅というものがあるのだと初めて知りました。  施設内はとても綺麗で、利用者さん達はとてもお元気だった印象でした。二階、三階の住居スペースでは利用者さんのプライベート空間もあり、またバイタルなどもきちんと管理されていて、充実した環境だと感じました。グリーンハウス長田さんには卒業生のHさんが働かれていて、お仕事を見学させていただきながらお話を聞かせていただきました。   施術で印象残ったのは、マッサージをしながら関節可動域を改善する訓練も行っておられたということでした。関節が固い利用者さんには長い時間をかけて少しずつ動かせるように訓練されているところや、「上腕手掌圧迫は喜ばれるよ」など、学校ではあまり習わないお話が聞けてとても勉強になりました。   最後にHさんがおっしゃった言葉で「どうしたら利用者さんに喜ばれるか考えている。利用者さんから教わることもある。」という言葉が心に残りました。就職して数年経っても日々勉強なんだな。そういう向上心が大切だと感じました。   グリーンハウス長田の皆さん、ご指導いただいたHさん、利用者の皆さん、お忙しい中、僕ら盲学校生の対応してくださりありがとうございました。とても勉強になりました。 ◎専攻科理療科2年   グリーンハウス長田の皆様、先日の施設見学の際は、大変お世話になりました。  施設は高台にあり、非常に眺めがよい場所にありました。施設内も明るく綺麗な施設だと思いました。利用者さんも大勢いて、活気がありました。Hさんは、一日、7・8人利用者にマッサージや関節運動などをして、忙しそうに働いておりました。施術が終わった後、利用者が嬉しそうにお礼を言っていたので、Hさんは信頼されているのがわかりました。Hさん本人もどうしたら、気持ちがいいか、動きがよくなるか、常に考えているそうで、仕事も楽しんでやっている感じがしました。私も利用者に信頼される施術者になれる様に頑張ろうと思いました。 ■ 専攻科スキルアップセミナー①  6月30日(月)、専攻科生11名を対象に講師に友寄隆光先生(元本校専攻科教諭)をお招きし、「関節モビリゼーション」をテーマに実技研修を行っていただきました。  研修では、関節モビライゼーションの概要、臨床現場で行っている関節モビライゼーションの実際の指導、リスク管理を指導していただきました。  日常の授業では詳細に紹介されない臨床に即した技術とあって、生徒は講師に質問をし、生徒同士で指導された手技を互いに実践し合い、学びあっていました。