沖縄盲学校

学校経営・教育目標

1.本県の教育目標

 県は、個性の尊重を基本とし、国及び郷土の自然と文化に誇りをもち、創造性・国際性に富む人材の育成と生涯学習の振興を期して、次のことを目標に教育施策を推進する。

 (1) 自ら学ぶ意欲を育て、学力の向上を目指すとともに、豊かな表現力とねばり強さをもつ幼児児童生徒を育
     成する。
 (2) 平和で安らぎと活力ある社会の形成者として、郷土文化の継承・発展に寄与し、国際社会・情報社会等で
     活躍する心身ともに健全な県民を育成する。
 (3) 学校・家庭・地域社会の相互の連携及び協力のもとに、時代の変化に対応し得る教育の方法を追究し、生
     涯学習社会の実現を図る。
 (4) 幅広い教養と専門的能力を培うとともに、高い公共性・倫理性を保持しつつ、時代の変化に合わせて積極
     的に社会を支え、改善していく資質を有する人材を育成する。

2.学校経営の基本理念

 沖縄県教育委員会の教育目標及び教育施策等を基本とし、本校創立者である初代校長高橋福治氏の思いである「視覚障害者が働き自立する力を身につける教育を根づかせ、広めること」を継承・発展するため、また、本校の校章の願いである「鏡の如く清く明るい気持ちでよく学び(点字又は墨字)光を世の中に輝かせましょう」を土台に幼児児童生徒が健康でたくましく、心豊かに成長・発達する過程において、自立と社会参加、貢献できる力の育成を目指す教育実践に努める。
 学校及び学部の教育目標を達成するため、カリキュラム・マネジメントの確立を図り、人的・物的・財政的・組織的条件を整備し、効率的・機能的な運営を行う。また、視覚障害と複数の障害種に対応し、幼児児童生徒の「生きる力」を育む教育の充実のため、全職員・保護者・地域が一体となって取り組み、学校経営の柱として「開かれた学校づくり」「魅力(特色)ある学校づくり」「豊かな感性と自立を育む学校づくり」「安心・安全な学校づくり」「信頼される学校づくり」をめざす。そのために、学校経営及び教育課程編成の方針を次のように定める。

3.教育目標と目指す方向

 (1) 学校教育目標
   幼児児童生徒個々の障害の程度や発達段階に応じた適切な教育を行い、障害による学習上又は生活上の困難
   を改善・克服し、主体的に学び、生活する能力と態度・意欲を養い、健康でたくましく、心豊かに生きる力
   を身につけ、自立し社会参加する人材の育成を図る。
 (2) 校訓「清く明るく よく学び 光輝く」
   昭和45年(1970)、沖縄盲学校創立50周年に校旗と校章を樹立される。幼児児童生徒一人一人が鏡の如く清
   く明るい気持ちでよく学び(点字や墨字を)、光を世の中に輝かせてほしいと願うものである。平成30年
   (2018)に検討され、校訓として定めた。
 (3) 具体的目標
  ①めざす幼児児童生徒像
   ◯ 元気で明るく、たくましい幼児児童生徒(健康)
   ◯ 自ら学び、創造性豊かな幼児児童生徒(主体)
   ◯ 協調性と思いやりのある幼児児童生徒(協力)
   ◯ 最後までねばり強く頑張る幼児児童生徒(自立)
   ◯ 自立し社会参加に向けて努力する幼児児童生徒(自律)
  ②めざす学校像
   ◯ 幼児児童生徒の人格を尊重し、豊かな感性と自立心を育む学校
   ◯ 幼児児童生徒がよりよく生きる力を身につけ、社会参加と貢献をめざす学校
   ◯ 笑顔にあふれ、人や物を慈しみ、希望に満ちた活力ある学校
   ◯ 幼児児童生徒と保護者が「入学して(入学させて)よかった」「卒業して(卒業させて)よかった」、教
     職員が「勤務してよかった」と思えるような期待に応える学校
   ◯ 明るく、綺麗な「花と緑と野鳥のさえずりに囲まれた」潤いと五感に刺激のある学校
   ◯ 歴史の継承と未来を創造し、地域に開かれた信頼される学校
  ③めざす教職員像
   ◯ 幼児児童生徒を愛し、一人一人の視点に立って、「個の良さ」を発揮させる教職員
   ◯ 日々の教育活動に真摯に取り組み、その改善・充実に努める教職員
   ◯ 特別支援教育の専門家として、自信と誇りに満ちた教職員
   ◯ 保護者の思いや願いを共感的に理解し、その期待に応える教職員
   ◯ 教育公務員として自覚と責任を持ち、同僚性を大事にする教職員
   ◯ 学校運営の広い視野に立ち、主体的に参画する教職員
  ④学校キャッチフレーズとモットー
   【キャッチフレーズ】
   『100年の歴史を刻み、打って出る沖縄盲学校 ~輝け沖盲の宝~ 』
   【モットー】
   『チームワーク』『笑顔』『信頼』をキーワードに日々前進。

4.学校の教育目標を達成するための方針(基本的考え方)

(1) 特別支援学校(盲学校)の使命・役割
  ①「特別支援教育」の理念及び教育関係法令等に基づき、在籍する幼児児童生徒一人一人の実態や教育的ニー
    ズに応じた合理的配慮を提供するとともに、その持てる力を高め、障害に起因する学習・生活上の困難を改
    善又は克服するために、適切な指導・必要な支援の実施を教育活動の基本とする。
  ② 基礎基本の習得の徹底により確かな学力の育成を図り、健康でたくましく、心豊かに自立し、社会参加・貢
    献できる視覚障害児・者の育成をめざした教育の充実に努める。
  ③ 県内唯一の視覚障害教育に特化した教育機関として、絶えず専門性の向上と情報発信に努力し、それを活か
    した特別支援教育のセンターとしての機能充実に努める。
(2)「一致・協働(チーム学校)」の体制づくりとR-PDCAのプロセス
   【Research(実態把握・調査研究)-Plan(計画立案)-Do(実践)-Check(評価)
    -Action(改善)】
  ① 教育目標等の具現化をめざし、「人格の尊重」、「協働」、「連携」を学校組織運営の理念とする。
  ② 「一人一人が役割と責任を果たすことで組織全体が生きる」ことを自覚するとともに、情報共有や共通理解
    を重視し、「一致・協働・発信」及び「チーム学校」としての学校組織づくりに絶えず留意する。
  ③ 安全・安心な教育環境を整備し、効率的な学校運営を図り、幼児児童生徒一人一人の望ましい変容・発達を
    促す教育活動の推進・充実に努める。
  ④ 教職員一人一人が、課題意識を持ち、R-PDCAのプロセスを意識しながら取り組むよう努力する。教育
    活動における「実態把握」「取組の評価と見直し」は特に重要であり、ゆとりを持ちながらも、無理・無駄
    のない効果的な教育活動の展開に留意する。
  ⑤ 職員同士の同僚性を高め、インクルーシブな組織体制を構築する。

5.本年度の重点目標と具体的な実践計画

(1) 幼児児童生徒の発達段階に即した教育課程の編成・学習指導の充実に努める
  ① 学部間の連携を密にし、一貫性のある教育課程を編成するとともに、毎時間の授業の充実を図り、基礎学力
    の定着と確かな学力の育成をめざす。
  ② R-PDCAサイクルに基づく、適切な実態把握による目標設定と指導内容、方法の充実及び客観的な評価
    の実施など、個に応じた指導の充実を図る。また、教科横断・学部横断的な視点での指導を展開し、カリ
    キュラム・マネジメントを推進する。
  ③ ICT機器や補助具等適切な支援機器の活用、幼児児童生徒の実態に応じた教材・教具の作成・活用を推進
    する。
  ④ 自立活動の指導体制の確立と一人一人の実態に応じた指導実践の充実を図る。
  ⑤ 外部人材の活用等を含め、視覚障害の状態や疾患に配慮した指導の改善・充実を図る。
  ⑥ 視覚障害教育(盲教育・弱視教育)及び教科等の専門性を支える校内研修の充実を図る。
(2) 特別支援教育の推進
  ① 一人一人の教育的ニーズを把握し、「個別の教育支援計画」「個別の指導計画」、寄宿舎においては「個別
    の生活指導計画」の作成及び活用・充実を図り、指導に関する情報や専門性の共有、継承及び協働を推進す
    る。
  ② 教育支援部を中心とした教育・福祉・医療及び県や市町村等の関係機関と連携した啓発、支援、相談体制の
    確立を図ると共に組織体制を構築する。
  ③ 保護者及び関係機関と連携した幼稚部教育、重複障害教育の充実を図る。
  ④ 幼児児童生徒の一定の在籍数の確保を目指した学校体制の構築を図り、学校の発信力を強化し、本校の視覚
    障害教育のセンター的機能の充実を図り、地域社会への広報及び啓発事業を展開する。また、専攻科におい
    ては、やりがいのある職業として「あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師の魅力」を発信する。
(3) 教育環境の整備と充実の推進
  ① 教育環境検討委員会を設置し、視覚障害特別支援学校として長期的な学校施設整備のあり方について検討
    し、整備・充実を図る。
  ② 教育環境マスタープランを推進し、五感で感じる教育環境の整備を図る。
(4) 生徒指導及び進路指導の充実
  ① 障害受容や自己理解を進めるとともに、集団や社会の一員として自己実現が図れるように児童生徒の実情を
    踏まえた生徒指導の充実を図る。
  ② 保護者・家庭状況を理解し、家庭や関係機関と連携して支援を行う。
  ③ 人権教育については、毎月1 0日「人権を考える日」を設定し、学級活動・ホームルーム活動等において、
    各学部段階で適切に位置づけ充実を図る。
  ④ 高校、大学等進学希望者のため受験指導及びあん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師の国家試験対策の
    充実を図る。
  ⑤ ワークキャリアに加えてライフキャリアの内容も含めたキャリア教育全体計画の作成とそれに基づいた実践
    を図る。
  ⑥ 小・中・高一貫した進路指導の推進及び各学部における職場見学・就業体験、職場開拓の充実を図る。
  ⑦ 保護者、関係機関等と連携した「個別の教育支援(移行支援)計画」の作成、活用による進路希望実現の取
    組を推進する。
  ⑧ 重複障害学級卒業者の個々の実態に応じた進路保障の取り組みを進める。
(5) 重複障害教育の充実
  ① 重複障害の幼児児童生徒の指導における学部間の連携と指導体制の充実を図る。
  ② 幼児児童生徒一人一人の実態に応じた安全管理、健康の保持増進に努める。
  ③ 教材・教具等の創意工夫による指導方法・指導内容等の充実、特に自立活動の充実を図る。
(6) 共生社会の形成に向けて幼児児童生徒の相互理解を図るためのインクルーシブ教育システムの推進
  ① インクルーシブ教育システムを進める視点で交流及び共同学習を積極的、計画的に推進する。
  ② 保護者や対象校と連携し居住地校交流の充実を図る。
  ③ 学校行事等にボランティアを積極的に活用する。
(7) 安全・健康・給食指導の充実
  ① スポーツ環境の充実を図り、より工夫した体力づくりを推進する。
  ② 医療的ケア等を要する幼児児童生徒の健康管理と安全対策を推進する。
  ③ 安全でおいしい給食を提供し、全職員で食育を推進する。
  ④ スクールバスの安全運行と整備点検及び送迎時の児童生徒・保護者への適切な対応を行う。
  ⑤ 敷地内全面禁煙の徹底、禁煙指導の推進・強化を図る。
(8) 情報教育の充実
  ① 各学年の実態に応じた情報教育の推進を図る。
  ② 視覚障害代替機能としてのICT機器等活用能力の向上に努める。
  ③ 情報機器を活用した校務の効率化の推進を図る。
(9) 生涯学習への意欲を高める指導の充実を図る
  ① 幼児児童生徒の実態に応じて興味・関心を広げ、主体的な活動の充実を図る。
  ② スポーツや文化芸術活動など、幅広い体験の機会を設定するよう努める。
  ③ 地域の教育資源(社会教育施設や学習の機会)の積極的な活用を図る。
  ④ 卒業後の社会参加を見据え、主体的に学びの場を選択・決定できるよう促す。
(10) 図書室・資料室の整備・充実
  ① ボランティアを活用した読書活動の推進を図る。(校内の関係諸資料の整備と対面朗読室の活用)
  ② 調べ学習を促進する図書室の整備・充実を図る。
  ③ 電子図書等の充実を図る。
  ④ 教材研究を支える専門図書等の充実を図る。
  ⑤ 本校並びに盲教育の歴史資料の収集と資料室の整備に努める。
(11) 寄宿舎における生活指導の充実
  ① 「個別の生活指導計画」の作成、活用による個に応じた生活指導の充実を図る。
  ② 学部・寄宿舎・家庭連携による個に応じた生活指導と自主学習・自主活動の推進を図る。
  ③ 異年齢集団での生活をとおした豊かな人間関係と社会性の育成に努める。
(12) 周年事業(100周年)への体制整備を図る
  ① 1 0 0周年事業に向けて、PTAや同窓会他と連携した学校機能を充実するための期成会推進と実働化を図
    る。
  ② 真地団地や近隣の学校等との連携による地域に開かれた学校づくりの推進を図る。

6.教育課程編成の基本方針

 教育課程は、学校教育目標を達成するための基本計画であり、関係法令及び学習指導要領に基づいて幼児児童生徒の障害の状態、発達の段階や特性等を十分考慮するとともに、次の点に留意し教育目標、幼児児童生徒像の実現を目指して編成する。

(1)幼・小・中・高等部の発達、特性に即して自ら学ぶ意欲と態度、確かな学力の定着を目指し、生きる力をは
   ぐくむ一貫性のある指導内容・方法を明確にした個に応じた指導を推進する教育課程の編成に努める。
(2)新学習指導要領による教育課程の編成を行う。特に教科等に当てる時間は年間35週分(1学年は34週)
   になるように計画し、小学部45分、中・高等部は50分を1単位時間として、各学年における総授業時数
   に準じて確保する。なお、幼稚部の一日の教育時間は4時間、毎学年の教育週数は39週を標準とする。
(3)多様な幼児児童生徒の実態に即して基礎的・基本的な教育内容を明らかにし、豊かな情操を養い、確かな学
   力が着実に身に付くよう個に応じた指導の重視と授業形態や集団の構成の工夫に努め、学習意欲の向上や学
   習習慣の確立を図る。
(4)学校教育活動全体を通した言語活動の充実及び、道徳教育、体育・健康に関する指導、自立活動の指導を計
   画的に行い、心身共に健康な生活を送ることを目指した、基本的生活習慣の形成と健康安全管理・健康の保
   持増進の態度と技能の定着を図る。
(5)作業学習や就業体験、職場実習等キャリア教育の充実を図り、職業に関する基礎知識、基礎技能等の習得と就
   労への意欲を高める。
(6)幼児児童生徒の入学から卒業後までの一貫した指導体制の確立と一人一人のニーズに応える「個別の教育支
   援計画」及び「個別移行支援計画」の作成・活用に努める。
(7)自立活動含をめ、各教科等の指導に係る「個別の指導計画」を作成・活用し、個々の障害による学習・生活
   上の困難を改善又は克服に即した指導が図れるよう編成する。
(8)「総合的な学習の時間」は、小学部3年以上各学年とも教育課程に位置づける。ただし、知的障害を併せ有
   する教育課程については、中高等部において位置づける。
(9)居住地の学校や近隣の学校との交流及び共同学習は、各学部の特色と個別のニーズのよる方法等の検討を行
   い計画的・積極的に推進する。
(10)一般学級は、小、中、高等学校に準じ、弾力的に教育課程を編成する。なお、障害の状態により特に必要が
   ある場合は、「重複障害者等に関する教育課程の取扱い」に基づき弾力的に編成する。
(11)重複障害学級における教育課程の編成に当たっては、学習指導要領に示す「重複障害者等に関する教育課程
   の取り扱い」に基づき障害の状態に応じて弾力的に編成する。特に知的障害を併せ有する場合は、知的障害
   者の教育課程編成基準に準じて編成を行い実態に応じた指導の充実を図る。
(12)専攻科の教育活動全般を通してあん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師国家資格取得と就労に結びつく
   職業教育に取り組む。

教育目標と教育活動の全体構造

※教育目標と教育活動の全体構造を、PDFにて確認ができます。

教育目標と教育活動の全体構造(2019)