沖縄県立沖縄盲学校校長通信第4号令和2年7月21日(火) 文章責任:校長村吉和枝 44名の幼児・児童・生徒一人ひとりの輝きでキラリ(星)沖縄盲学校 『大好きなプールは笑顔満開!暑さを吹き飛ばせ!』 【写真】小学部3年生のたつみさんが、浮き輪を使って深い方のプールで両手を伸ばして満面の笑顔で泳いでいる。隣には担当の政美先生が優しく介助している。 【写真】中学部さくらあさがお学級の皆さんが、先生と一緒に浮き輪や抱っこされながら集合して記念撮影。「プール楽しいよ」と気持ちよさそうな笑顔です。 左から、こうさん、ほたかさん、一先生、喜久山先生、とうやさん、まさきさん、ゆうき先生、あおいさん、美穂子先生、あゆみ先生、そうやさん、れいさん、古見先生です。 暑中お見舞い申し上げます。蒸し暑い日々が続き、突然の大雨や雷に驚くことも多いです。新しい生活様式の中で3密を避けながら、体調管理には気をつけましょう。 大好きなプール学習が始まり、それぞれの実態に応じて水に慣れる段階から、水泳の基礎段階まで浮き輪他の補助具を使用してプール学習を楽しんでいます。学習の準備等、ご協力ありがとうございます。 【写真】小学6年生の教室前にある掲示板に貼られた掲示物。総合的な学習の時間テーマ「なりたい自分になろう」10年後の未来をイメージしてみよう。健也さんの意見文です。 【写真】中学部1年生の水李さんと琉唯さん、担任のゆうきせんせいが図書室で開催されている平和学習の展示物(弾が当たって壊れた水筒他)を見て、触って平和学習をしています。 校内の掲示板には学習の様子が張り出され、幼児児童生徒の頑張りや意見、教職員の工夫等が伝わります。来校の際は是非ご覧になり、感想など励ましの声をかけてください。今回は小6 総合的な学習と中1 の平和学習をご紹介します。素晴らしい意見に感動します。 小6 松田健成『10 年後の未来に期待すること』 「視覚障害者の運転している車が今、障害物をよけました。」ユーチューブ動画の声の一部で、ぼくは日本もこんな技術があればいいなと思いました。AI の技術が伸びたら自動運転で沖縄一周をしてみたいし、視覚障害者がメガネをかけるだけで見えるような技術ができたら、プロ野球選手が投げるボールを見てみたい。お父さんとキャッチボールをして、お父さんが投げたボールを打ってみたい。(省略)10 年後の未来、視覚障害者が健常者と同じようなことができるようになってほしいです。 中1 屋宜水李:ぼくは不発弾のビデオを見たり新聞記事を見て「こんな身近な所で不発弾が埋まっていたり爆発することは怖い」と思った。僕たちが何ができるかと考えると早く爆弾を取り除くためにお金がかかるので、国の補助だけでなく県民の募金をやったらよいと思う。早く沖縄から一個残らず爆弾がなくなってほしい。図書室で戦争の遺留品を見たときに穴があいていたりひびが入っていたりしていて、爆弾の衝撃でそうなったことが分かり、近くにいた人まで犠牲になったことが分かった。昔に戦争が起きたなんて考えられないことで、戦争は二度と起こしてはいけないことを平和学習であらためて考えた。(要旨抜粋) 沖縄や日本の歴史、現代の発展に関する学習を通し、平和の尊さ、技術の進歩に対する考えをまとめました。 ニュース 今月の校長通信は高等部3 年生の就業体験、100 周年事業の取り組み、寄宿舎、卒業生の就労の様子等を掲載します。コロナ禍の中ではありますが、就業体験先の事業所、ご家庭のご理解とご協力のおかげで、前期就業体験が実施されました。報告会では実習で学んだことや今後、頑張りたいこと(課題)を点字資料と写真でまとめ、緊張しながらも堂々と発表していました。千夏さんは石けんやマスク作りを頑張り、くるみボタン作りは褒められたと嬉しそうでした。体力作りが課題だそうです。広夢さんは機能訓練やマッサージ、パンフレットまとめを頑張り、食事も進み笑顔いっぱいだったそうです。あいさつや返事を頑張りたいそうです。専攻科進学を目指しているA さんは校内の外来治療室他で実習することで、専攻科の先輩方が患者さんと接する際のコミュニケーション力や技術に驚き、さらに専門用語の難しさを感じたが、自分自身も数年後には先輩方と同じ場所で学びたいと専攻科入学の希望が強くなったそうです。 【写真】就業体験くるみボタン作製中の千夏さん。小さなクルミボタンを両手で器用に触りながら笑顔で作業しています。 【写真】機能訓練で自転車こぎ(機能訓練用の自転車)をする広夢さん。自転車に深く腰掛けて両手はしっかりとハンドルを握り、両足もしっかりとペダルを踏んでいます。 就業体験報告会点字資料を各自のペースで読みながら、発表を頑張りました。後輩達からの質問にも的確に答えていました。 【写真】報告会の全体の様子。会議室には高等部普通科の後輩、先生方、専攻科の先生も参加していました。就業体験後に発表会に向けて点字資料を丁寧に読んだり、写真を前方にあるスクリーンに映し出しています。 【写真】ひろむさんの発表の様子。両手で点字をゆっくり読んでいて、真剣な表情です。隣には担任のひろきせんせいがマイクを向けています。 創立100周年の取り組みとPTA活動 授業参観日では、コースター作りとベルマークのテトラパック箱詰めへのご協力ありがとうございました。現在、1 学期の保護者面談実施中で学習や生活指導の共通確認を行っています。 【写真】授業参観日で4名の保護者の方が一生懸命に創立100 周年記念品のコースター作りを行っています。丸くかたどられた土に点字や校章の印を押しています。 【写真】ベルマーク運動のPTA 作業を行っています。モスバーガーから提供のあったテトラパック(飲み物がはいいていた箱)を折りたたみ、段ボール箱に300枚ほど詰め込んでいます。 記念品コースターは目標300 個に向けて、現在、約200 個を達成し、引続き心を込めて作ります。県内モスバーガー各店のご協力でベルマーク換算用のテトラパックの提供があり、その箱詰め作業を行いました。保護者の皆さんのご協力に感謝致します。 沖縄盲学校PTA で運営している「視覚障害の子供を育む親の会」があり、本校PTA 活動内容が認められて、今年度もサンシャインゆいまーる事務局より第7 回2020 年前期クール投票結果、¥116,000 の寄付金が贈呈されました。本校PTAから100 周年事業に活用してほしいとその寄付金の寄贈がありました。教育環境整備に活用していきます。 (株)サンシャイン様のご支援に心より感謝申し上げるとともに、本校PTA「視覚障害の子供を育む親の会」におけるPTA 活動に感謝申し上げます。コロナ禍でのPTA 活動や地域社貢献活動を実践されている地域の皆様の心温まるご支援はとても励みになり、本校の教育目標達成を目指して、さらに取り組んでまいります。今後ともよろしくお願いします。 【写真】100周年記念誌の集合写真掲載に向けたドローン撮影の様子。高橋福治像の芝生周辺にスクールバス停車の前から横に幼小学部、中学部、高等部の幼児児童生徒先生方、寄宿舎の先生方、事務現業職員の皆さんが斜め前に低空飛行しているドローンに向かって両手を振って撮影しました。 楽しい寄宿舎(舎友会、生活指導、余暇活動、火災避難訓練) 寄宿舎では新しい生活様式のもと、徐々に舎友会活動、各行事、学習、余暇活動、日常生活指導が行われるようになりました。舎生の意見も取り入れ、みんなで智恵を出し合い、工夫して力を合わせて取り組む様子は頼もしく、生きる力を育み、一人一人の成長を感じます。何よりも年齢層の異なる舎生同士の人間的な交流は、時に厳しく、時に優しく、相手を思いやる心が育っているように思います。入舎体験を希望なさりたい場合は担任を通してご相談ください。 【写真】舎友会会長の島當さん。高等部1年生になった伸一郎さんは、1年ぶりの入舎で舎友会長に立候補し、当選しました。楽しい行事を企画したいそうです。凛々しい表情です。 【写真】野球が大好きな健也さんとるいさんです。琉唯さんがピーチャーで大きく振りかぶりボールを投げている写真と右手でバットを持ち、シャストミーとされたボールを打つ瞬間の健也さんの写真を横並びに配置してあります。 【写真】こうさんは、洋服畳みも上手になりました。上着を丁寧にたたむ笑顔のこうさんです。 【写真】火災避難訓練で第二次避難場所の西門前に集合して、消防署の方から説明を聞き、質問するほたかさん。 光文堂コミュニケーションズで働く喜びを実感! 去った3 月に専攻科を卒業し、ヘルスキーパーとして「光文堂コミュニケーションズ株式会社」に採用された仲村康貴さんの就労の様子をご紹介します。社員の健康管理を目的にヘルスキーパーの採用が年々増えています。学校近郊にある光文堂さんは外間なるみ社長のもと、全社員が広告・印刷物を通して地域に根ざした印刷文化の構築に取り組み、社名の通り人と人とのコミュニケーションを大切にすることを理念に外間社長は会社経営を行っているそうです。新入社員の仲村さんもコロナ禍の中で施術環境を整えてもらい、最近、念願のマッサージ業務も開始し社員の健康促進を担っているとのことでした。 【写真】社長室で記念撮影。(左から)実先生、村吉校長、仲村さん、外間社長、花木副部長です。社員は家族と同じと述べる外間社長の言葉に感激しました。康貴さんは会社が作ってくれた施術用のユニホーム(紺色で両脇はターコイズカラーのさわやかな青の模様が入っている)を着ています。 【写真】施術室を紹介する康貴さん。縦長の3畳ほどのお部屋で、入り口手前には施術用ベット、奥には机などが置かれた明るいお部屋で、ベットを指さして紹介する笑顔の康貴さんです。 今年の夏休みは8 月1 日(土)~ 10 日(月)の10 日間です。その前後は通常授業となりますので、くれぐれも体調管理に気をつけてこの夏を乗り切りましょう。宜しくお願いします。