沖縄盲学校

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専攻科

 高等部には、普通科(普通高校に準ずる課程)と、専攻科(マッサージ・鍼等の職業教育のための課程)の2科があります。

1. 専攻科の特色
 専攻科は、高等学校の課程を卒業した者が入学できる課程で保健理療科と理療科の二つの学科があります。専攻科2年生の後期から3年生にかけて、技術を磨くため臨床実習を行うための臨床室を開設しています。

保健理療科の紹介

 保健理療科では、あん摩・マッサージ・指圧師になるための教育を行っています。3年間の課程で、学科・実技の科目があり、3年生には、患者に対しての臨床実践も実施しています。課程修了後に資格試験を受験し、合格することができた後、あん摩・マッサージ・指圧師の免許が与えられます。免許を持ち、病院、治療院への就職や自ら治療院の開業を行うことができるのです。

理療科の紹介

 理療科では、あん摩・マッサージ・指圧師と、はり師、及びきゅう師になるための教育を行っています。3年間の課程で、学科・実技の科目があり、3年生には、患者に対しての臨床実践も実施しています。課程修了後に資格試験を受験し、合格することができた後、はり師の免許または、きゅう師の免許が与えられます。免許を持ち、病院、治療院への就職や自ら治療院の開業を行うことができるのです。

2. 臨床実習(あん摩はり灸治療室)について
 沖縄盲学校では、専攻科の臨床実習の一環として、あん摩・マッサージ・指圧・鍼(はり)・灸(きゅう)を外部の方に実践しています。詳しくは、「あん摩はり灸治療室のご案内」をご覧下さい。

3. 資格試験
 保健理療科や理療科の3年間を終了した者は、厚生労働省大臣の実施する「あん摩マッサージ指圧師試験」、「はり師試験」、「きゅう師試験」の各資格試験に受験できます。実際は、厚生労働省大臣より委託されている(財)東洋療法研修試験財団が行う試験となり、全国統一した問題です。実施日は、毎年2月で、あん摩マッサージ指圧師試験は第4土曜日、翌日、日曜日にはり師試験ときゅう師試験が実施されています。(はり師試験ときゅう師試験問題は、共通問題が160問、はり理論10問ときゅう理論10問で行われています。)受験時間は、午前・午後とも2時間(計4時間)ですが、点字受験や拡大文字(約16ポイント)、超拡大文字(約22ポイント)、口答自筆での場合は1.5倍の計6時間で実施されます。沖縄県の視覚障害者試験会場は「沖縄県立沖縄盲学校」で行われています。

試験 科目

あん摩・マッサージ・指圧師試験

医療概論、衛生・講習衛生学、関係法規、解剖学、生理学、病理学、臨床医学総論、臨床医学各論、リハビリテーション医学、東洋医学概論、経絡・経穴概論、東洋医学臨床論、あん摩マッサージ指圧理論

はり師試験

医療概論、衛生・講習衛生学、関係法規、解剖学、生理学、病理学概論、臨床医学総論、臨床医学各論、リハビリテーション医学、東洋医学概論、経絡・経穴概論、東洋医学臨床論、はり理論

きゅう師試験

医療概論、衛生・講習衛生学、関係法規、解剖学、生理学、病理学概論、臨床医学総論、臨床医学各論、リハビリテーション医学、東洋医学概論、経絡・経穴概論、東洋医学臨床論、きゅう理論

問題数は、三つの試験とも160問ですが、はり師試験ときゅう師試験を受験する場合は共通問題の160問にはり理論10問、きゅう理論10問を合わせて計180問となります。

4. あん摩・マッサージ・指圧師、はり師、きゅう師について

名称
説明

あん摩

 あんま(按摩)とは 手で身体や手足をもんだり、なでたりして、筋肉のしこりをほぐし、血液やリンパの循環をよくする治療法。一般に手ぬぐい等の上からもむことが多いです。基本的な技には、手のひらで軽くなでる軽擦法、筋肉を親指などでもみこねる「揉捏(じゅうねつ)法」、リズミカルにたたく「叩打(こうだ)法」、関節を動かす「運動法」などがあります。もみ方は、体の中心(心臓の場所)より遠い方向に進めていきます。 あん摩は、古く中国より伝わりましたが、江戸時代の頃になると盲人の専業として広く行われていました。

マッサージ

 マッサージとは 手で患者の体に種々の操作を加え、循環機能を盛んにし、皮膚・筋肉などに刺激を与え、筋力の回復、変形の矯正、関節機能の回復などをはかる療法です。基本的な技には、手のひらで軽くなでる「軽擦法」、強く摩擦する「強擦法」、筋肉をもみこねる「揉捏(じゅうねつ)法」、リズミカルにたたく「叩打(こうだ)法」、関節を動かす「運動法」などがあります。一般に、直接皮膚の上から行い、体の末梢部から心臓に向かって行っていきます。マッサージは、ヨーロッパ(特にドイツ)が発祥地で、日本には明治時代に伝わったもので、あん摩と組み合わせて行ったり、顔などの局所の機能回復の目的で行ったりします。他に、スポーツマッサージやオイルマッサージなどとして行われています。

指圧

 指圧とは 親指やてのひらで身体を圧迫(あっぱく)し、主として神経や経絡(気の流れ)に対して圧刺激を加える方法をいいます。基本的な技は、親指や手のひらで押す「押圧法(おうあっぽう)」と背骨の位置異常をなおす「矯正法」、関節を運動させる「関節運動法」があります。 指圧は、大正時期に日本で画一された手法です。

はり

 はりは漢字で「鍼」と書きます。 古来の中国では、鋭利な石を用いて病気の治療、予防を行っていました。それが開発され、現在では金性や銀性、ステンレス性の細いものとなっています。(続きを読む...)

きゅう

 きゅうを漢字では、「灸」と書きます。艾(もぐさと読む)を皮膚の経穴(つぼ)などに置き、線香を使って点火して燃やすという、熱刺激を加える治療法です。艾は、ヨモギを陰干しした後石臼ですって綿のようにしたものです。(続きを読む...)